1月3日の河北新報、さすがですね。紙面の3分の2に、矢羽木工芸品の記事が掲載されました。たくさんの工程を経て、一つの作品になるまでの物語りともいえるものづくり。材料と向き合いながら、材料がうつわになるのか、トレーなのか、お皿なのか、テーブルか椅子か、、。その声をじっと聞いて重ねて集成していく。大切にしながら守り続けてきた工法は、美しい重なりの木目となり、矢羽集成材が出来て、更に職人の技が加わり作品となる。宮城県産材の杉丸太から、製材、乾燥、集成プレス、幅決め、製材カット、加工、塗装まで、一つの作品ができるまでに約1か月とは最短のこと。これが広葉樹となると、材料準備から自然乾燥は3年以上、完成までは数年という年月を費やすことになるのです。木材のほとんどは水分をたくさん含んでいるので、乾燥とひび割れなどの問題を解決しないと、質の良い作品はできません。水分と乾燥の絶妙なバランスが反りや狂いをおこす原因でもあるので、扱いがたいへんむずかしいときもあります。それでも自然素材の良いところを見極めながら、作品をつくる工人たちは、匠の技術と永きに亘る経験、知恵などを積み重ねています。失敗するときもあるのは、あたり前で、思い通りにいくのは、何度もつくっているから。コツコツと繰り返しが大切なのです。たくさんつくることで上達する、これはどんなことにも通じていると思います。
あたらしい年となって、変化していくことも受け入れながら、基本は守りつつ、継承できるようなものづくりを、更なる環境にやさしい商品へのチャレンジも出来るように努めてまいりたいと新聞をみながら、考えています。